【観ました】T2 Trainspotting

 
4人が選んだ、あれから20年後の未来。

前髪が後退していたり、腹に贅肉が付いていたり、顔に皺が刻まれていたり、レントンをはじめとする各キャラクター達に20年という月日が色濃く現れているにも関わらず、精神的な部分がほとんど成長していない。

それは一種のカッコよさだったかもしれないが、そんな時代はとうに過ぎ去っている。選べ選べと言いつつも、結局は冒頭のレントンの様にルームランナーの上を走っていただけで、全く進歩していなかった。例えそれでも走り続けるしかない。そんなおじさん達の悲しくも美しい青春映画だった。

ゾクゾクさせる構図や照明の使い方、キレのある演出と、名曲Born Slippyを小出しにしてくる所で各キャラクターの物悲しさ、もう後には引けない生き方、いわゆる「あの頃は良かった」な気持ちを更に色濃く感じさせる。

ベグビーが自分の子供に未来を託す言葉や、スパッドが遺書を書き残すなどの、人生の終点を感じさせるシーンが多かったのも胸が痛くなった。

弁護士になっていたダイアンの事を、誰1人として触れなかったのが気になったが、あれは卒業文集のような、触れるのがくすぐったくなる過去の象徴だからなのか。

前作のオマージュが最後の最後まで散りばめられているので、シリーズ初見の人はクエスチョンが浮かぶだろうけど、前作がぶっ刺さってる人は間違いなく楽しめると思う。

前作のキャストとスタッフが欠ける事なく集まってくれた事で完成した奇跡の1本。最高です。