インサイド・ヘッドを観た話

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マッドマックス 怒りのデスロードを観た時「これは今年ベストの映画だ!V8!V8!」と感情の熱い昂ぶりを感じたし、アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンを観た時にも「ヒーロー映画が新次元に突入した!今年ベストだ!」って思った。

けどそのランキングのトップは現時点ではインサイド・ヘッドになる。

 

この映画が扱うのは記憶、感情、思考を始めとした人間の内面的な部分。この物凄くデリケートなテーマを見事な映像とストーリー、キャラクターで描き切った。

この作品にはアイアンマンやキャプテン・アメリカのような特別な才能、スーパーパワーを持った人間は1人も出て来ない。ベイマックスのような万能ケアロボットも居ない。出て来るのはどこにでも居るような父と母、そしてホッケーが得意な少女を中心としたあまりにも「普通」な世界。この「普通」さを前にすると、物語はスクリーンの中では終わらずに自分自身の内面深くに染み込んでくる。と思ってる。

 

ネタバレに繋がるので詳しくは書けないけれど、物語の終盤で主人公のライリーはある行動に出る。その行動を僕も2度程起こしていただけに、あのシーンでのライリーの思考、所作、顔つき等々、完全にあの時の自分と重なっていて思わず涙した。(もちろんその後のシーンも)

 

5つの感情の中で序盤は役立たず的位置付けのカナシミも終盤では大きな大きな役割を担う。よくよく考えるとあのキャラと共通点がある時点で気付くべきだったw予告編では「大竹しのぶさんかぁ・・・ちょっとくどくないか・・・?」なんて思ってたけどこれがバッチリハマっててとにかく感動する。

 

本作では「感情」と同じく「記憶」も重要な位置付けで描かれる。人間は新しい何かを覚えると同時に何かを少しずつ忘れていく。そうして成長し、大人になっていくことは避けれられない。ビンボンを通じて悲しい程爽やかに描かれる「記憶」というテーマも深く深く刺さると思う。

 

アベンジャーズやマッドマックス等々、最近息をつく暇もなく突っ走るド派手なアクションで塗り固められた映画ばかり観ていたせいか、久しぶりに自分自身とピュアな気持ちで向き合える素晴らしい作品に出会えたと思ってます。この感動はLEGOムービー以来かも。

 

これは吹き替えで観ることをおすすめします。あと映画が始まるといきなりドリカムが歌い始めるので不快にならぬよう気を付けて。そして両サイドが子供でも気にするな!