【観ました】LA LA LAND

 

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大傑作。

 

何やかんやあってからの「5年後」。こっちの期待をパンパンに膨らませてからの「ミアお前、そっちかぁ、、、そっち選んだかぁ、、、」と思わせる展開が、『ヒート』の終盤、高速道路を走りながら右にハンドルを切るデ・ニーロと重なって思わず涙。「いやいや、俺その展開は納得いかないですよ、マジで」とプリプリしていたら、セブズでの2人の邂逅からの『ラン・ローラ・ラン』的な巻き戻し&現実改変の展開。「そう!そう!そうだよね!やっぱ2人が結ばれてハッピーエンドだよね!」と思っていたのも束の間、『未来世紀ブラジル』のラストのようにそれはセブが思い描いていた夢でしかなく、、、。

 

それまで歌と踊りでお互いの感情を表現していた2人が、最後は言葉を交わす事なく笑顔で別れていく。それとミアの成功、結婚、出産の道のりを逆にセブが見た夢で語らせたところ。序盤から圧倒的な熱量とテンポで畳み掛けていたミュージカル的演出との対比が素晴らしい。(「合格したらこれからの私達の関係は?」と尋ねたミアに対する「分からない」とはぐらかしたセブを見てるから更に泣ける)

 

互いに相手の夢が叶う事を望み、共に刺激しあって歩んだ2人。実際にそれぞれが夢を叶えているので決してバッドエンドではなく、むしろハッピーエンド。なのに鑑賞後に残る余韻とも言えないモヤモヤした気持ち。。。「夢も叶って、しかも2人は結婚」的な二兎を得るエンディングに知らぬ間に浸り過ぎ、慣れ過ぎていた自分に気付いた。

 

人生の中で、自分が歩むべき道を示してくれる人が現れたとしても、その人と共に歩めるとは限らない。時間なのか恋人なのか、何かを犠牲にして折り合いを付けないといけない時が、夢を追う者には必ず来るのだろう。自分にその選択肢が現れた時に、どの方向に進むのか。その時にはきっと、ある種狂気とも言える推進力で進まないと、「LA LA LAND」には到達出来ないんだろうな〜。