【観ました】T2 Trainspotting

 
4人が選んだ、あれから20年後の未来。

前髪が後退していたり、腹に贅肉が付いていたり、顔に皺が刻まれていたり、レントンをはじめとする各キャラクター達に20年という月日が色濃く現れているにも関わらず、精神的な部分がほとんど成長していない。

それは一種のカッコよさだったかもしれないが、そんな時代はとうに過ぎ去っている。選べ選べと言いつつも、結局は冒頭のレントンの様にルームランナーの上を走っていただけで、全く進歩していなかった。例えそれでも走り続けるしかない。そんなおじさん達の悲しくも美しい青春映画だった。

ゾクゾクさせる構図や照明の使い方、キレのある演出と、名曲Born Slippyを小出しにしてくる所で各キャラクターの物悲しさ、もう後には引けない生き方、いわゆる「あの頃は良かった」な気持ちを更に色濃く感じさせる。

ベグビーが自分の子供に未来を託す言葉や、スパッドが遺書を書き残すなどの、人生の終点を感じさせるシーンが多かったのも胸が痛くなった。

弁護士になっていたダイアンの事を、誰1人として触れなかったのが気になったが、あれは卒業文集のような、触れるのがくすぐったくなる過去の象徴だからなのか。

前作のオマージュが最後の最後まで散りばめられているので、シリーズ初見の人はクエスチョンが浮かぶだろうけど、前作がぶっ刺さってる人は間違いなく楽しめると思う。

前作のキャストとスタッフが欠ける事なく集まってくれた事で完成した奇跡の1本。最高です。
 

【観ました】哭声-コクソン-

一応予告張りますけど見なくていいです。

 

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ヨン様がニコニコしてた頃から韓国の作品はドラマも映画も強い抵抗があって、小馬鹿にしてたところがあったけど、今後改めます。超抉られた。面白い。

序盤のカーセックスだったり、人が死んでるのに出動前に飯食って結果遅刻したりの「え?そこって必要?w」と思ってた日常風景のシーンが実は下味付けの段階で、徐々にそんな日常が崩壊していく後半になってめっちゃ活きてくる。娘さんの抜群にエグい叫び方とか主人公の相棒の変貌っぷりとかもうね・・・

ラストのスリラー化が無ければもっともっと謎めいた話で好きだったのにな〜〜。大流血、大吐瀉物を始めとした容赦無い暴力描写、「結局あいつは善なのか、悪なのか?誰が釣り針を垂らしていたのか?」とモヤモヤさせ続ける構成、全部良かったのに最後の最後で一気に冷めてしまった。。とは言え2時間半あるとは思えないパワーで引き込まれまくった作品でした。傑作。
 

【行きました】電気グルーヴ TROPICAL LOVE TOUR

電気のライブを観るのは去年のワーハピ以来。
名盤TROPICAL LOVEをひっさげてのツアー。
大魔法『午後休』を発動して駆け足でZeppへ。
今回もがっつり踊って笑った楽しいライブでした。

 

以下セトリ。

 

1.人間大統領
1曲目だからか、瀧が全然声出てないwww
合間合間の「うっほ、うっほ」がしっかり聞こえててナイス。

 

2.東京チンギスハーン
3.顔変わっちゃってる。
4.プエルトリコのひとりっ子
ここまではアルバム通りの展開。曲順も全く同じなのは初めてでは?

 

5.いちご娘
6.March
どちらも完全に予想外!
特にMarchは別れを想像させる歌詞な事もあってかなり涙腺にきた。
インタビューでも「先が長くない」とか言ってて心配。

 

7.The Big Shirts
8.Missing Beatz
9.SHAMEFUL
いつも序盤を担当してた曲達だったので、
え、ここでこれやるのか・・・と一瞬気持ちがぶれた。

 

10.新幹線
11.愛のクライネメロディー
遂に電気グルーヴのライブでも網戸VJが登場!しかもZeppだからデカい!
ステージ上の液晶とのレイヤー感が素敵でした。
愛のクライネメロディーは今回も案の定、涙涙涙。

 

MC
「眼に注射でウオッカを」「レターパックで現金を送れは詐欺」
「昭和のキチガイ」「バンクシーな〜」「ドーランをちんちんの先に」
「見るマスカラス」などなど。20分くらい喋ってたかも。

 

12.モノノケダンス
13.柿の木坂
14.Fallin’ Down
15.Upside Down
16.FLASHBACK DISCO
17.Baby’s on Fire
一気に踊り抜けたテクノディスコタイム。
レーザーがビッシビシ発射されてて非常に良い。
でも序盤を数曲削ってここ膨らませてほしかったな〜

 

18.N.O.
「昔からお客さんと一緒に歌ってきた」と言ってから
客席にマイクを向ける卓球、カワイイ。

 

19.ユーフォリック
20.トロピカル・ラヴ
本編ラストがこの手のメロウな曲なのはここ最近無かったのでは。

 

MC
「元オザケン」「褒めディスり」「半濁点が付くのはハ行だけ」
「みんな常連なのかな〜って」「自業自得!砂原良徳!」
「東京がアウェイ」「辛いことは覚えてるから辛い」などなど。

 

21.ヴィーナスの丘
VJで夏木マリ様登場!超カッコいいビジュアル!
後半、卓球が瀧に飛びついてそのままぐるぐる〜って回る
洋画でよく見るやつをやってて、思わず萌えました。

 

22.恐怖カメレオン人間
「30年前の曲やるぜー!」と叫んでから投下。
あまりにも懐かしすぎるし、これを最後の最後に持って来るところが
流石電気グルーヴだなぁと。しかもばっちりアレンジされてるしw

 

19時半に始まって22時終わり。
序盤が割とゆったり進んでたので後半は少し駆け足だったのが勿体無い。
でも本人達もライブ中に言ってたとおり正にワン・アンド・オンリー、
唯一無二のライブでした。楽しかった!

 

 

【観ました】LA LA LAND

 

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大傑作。

 

何やかんやあってからの「5年後」。こっちの期待をパンパンに膨らませてからの「ミアお前、そっちかぁ、、、そっち選んだかぁ、、、」と思わせる展開が、『ヒート』の終盤、高速道路を走りながら右にハンドルを切るデ・ニーロと重なって思わず涙。「いやいや、俺その展開は納得いかないですよ、マジで」とプリプリしていたら、セブズでの2人の邂逅からの『ラン・ローラ・ラン』的な巻き戻し&現実改変の展開。「そう!そう!そうだよね!やっぱ2人が結ばれてハッピーエンドだよね!」と思っていたのも束の間、『未来世紀ブラジル』のラストのようにそれはセブが思い描いていた夢でしかなく、、、。

 

それまで歌と踊りでお互いの感情を表現していた2人が、最後は言葉を交わす事なく笑顔で別れていく。それとミアの成功、結婚、出産の道のりを逆にセブが見た夢で語らせたところ。序盤から圧倒的な熱量とテンポで畳み掛けていたミュージカル的演出との対比が素晴らしい。(「合格したらこれからの私達の関係は?」と尋ねたミアに対する「分からない」とはぐらかしたセブを見てるから更に泣ける)

 

互いに相手の夢が叶う事を望み、共に刺激しあって歩んだ2人。実際にそれぞれが夢を叶えているので決してバッドエンドではなく、むしろハッピーエンド。なのに鑑賞後に残る余韻とも言えないモヤモヤした気持ち。。。「夢も叶って、しかも2人は結婚」的な二兎を得るエンディングに知らぬ間に浸り過ぎ、慣れ過ぎていた自分に気付いた。

 

人生の中で、自分が歩むべき道を示してくれる人が現れたとしても、その人と共に歩めるとは限らない。時間なのか恋人なのか、何かを犠牲にして折り合いを付けないといけない時が、夢を追う者には必ず来るのだろう。自分にその選択肢が現れた時に、どの方向に進むのか。その時にはきっと、ある種狂気とも言える推進力で進まないと、「LA LA LAND」には到達出来ないんだろうな〜。